ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】冷たい校舎の時は止まる 辻村深月 著

 辻村深月氏のデビュー作品でメフィスト賞受賞作です。

 上下巻千ページを超える大作です。

 受験を間近に控えた8人の高校生が、雪降る日にいつも通り登校したはずの学校に閉じ込められる。扉が開かず、いくら時間が経っても他の生徒、担任も登校して来ない。

 8人は孤立状態となる。止まった時間は、5時53分を示している。閉じ込められた原因は、学園祭のとき、同級生が飛び降り自殺した事件が関係しているのではないかと考えるが、その生徒の名前も顔も思い出せない。

 不思議な状況を目の当たりにして、8人はこの謎に挑んでいきます。

 辻村氏の繊細な感性がデビュー作から伝わります。本作のヒロインが辻村氏と同姓同名で登場します。作者の思いを重ね合わせてしまいます。

 思春期の感情の動きが恐ろしいほど文章化され、伝わります。

 ぜひご一読を。