『完訳グリム童話集(一) 金田鬼一 訳』その3
『こわがることをおぼえるために旅にでかけた男の話』<KHM4>
【あらすじ&ひとりごと】
父親と息子二人の家族がいました。兄は賢くて気が利き何でもできましたが、弟は何もできません。
人々は弟を見ると、父親の厄介者だと言いました。何かすることがあればいつも兄がやることになります。
父親が夜更けになって上の息子にお使いを頼むと、行く道に墓地があり気味が悪くてぞっとするからごめんだと言います。
それを聞いた下の息子は何のことなのかわからないため、ぞっとすることはどういうことかを覚えたいと言い出しました。
下の息子は、お寺で幽霊のふりをしたお坊さんにもぞっとせず、突き飛ばしてケガをさせてしまう。
旅先で男に首吊り台を紹介され、そこに7人の死体が吊るされているところで一晩を明かしても、ぞっとすることがわかりません。
そしてさらに、ある宿屋に着き、呪われた城を教えられます。
そこで三晩寝ずの番をすれば、ぞっとするとはどんなことなのか覚えられるという。
城の王様は、三晩続けて寝ずの番をする勇気のある者には、姫を嫁に出すと話します。
しかし、下の息子は三晩、犬猫の霊を退治し、死人と賭け事で楽しむなど、ぞっとすることを覚えることができませんでした。
結局、何もわからないままお城の呪いを解いたお礼にと、お姫様と結婚することになります。
下の息子は結婚後もぞっとしたいと言い続けるため、お妃がうんざりしていると、それを見た侍女が、川で小魚が入った冷たい水を桶にたくさん汲み、王様(下の息子)が寝ているところにぶっかけました。
王様はそれで初めて、ぞっとすることがどんなことかがわかりました。(要約)
このお話は知りませんでした。
なかなか笑えるお話ですが、教訓は何でしょう。「諦めずに努力すること」や「恐れず物事にチャレンジすること」などの大切さ。
度が過ぎると無鉄砲になるので気を付けなければなりませんね。