【あらすじ&ひとりごと】
今回読んだのは、東野圭吾さんのミステリ小説『あなたが誰かを殺した』(2023)
刑事・加賀恭一郎が活躍する人気シリーズの一作。最後まで気の抜けないミステリです。
今回の舞台は、裕福な人々が集まる閑静な別荘地。夏のある夜、複数の殺人事件が発生する。
事件後、遺族たちはなぜ家族が殺されたのか、その真相を知るために「検証会」を開く。そこへ現れるのが、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。
加賀は事件を捜査する立場ではないが、関係者の話を聞きながら、事件に隠された疑問を一つずつ拾い上げていく。
誰かの証言に不自然な点はないか。見落とした事実はないか。それぞれが隠しているものは何か。
加賀が話を聞くたびに事件の姿が少しずつ変わっていきます。最初は単純に思えた事件が、調べれば調べるほど複雑になっていき、真相が見えてきたところでさらに新しい事実が明らかになっていきます。まさに東野さんのミステリ。
特に魅力なのは、やはり加賀恭一郎です。(私の中ではもう阿部寛さん)
加賀は関係者の話をじっくり聞き、小さな違和感や何気ない言葉を見逃しません。その些細なことが後になって重要な意味をもってきます。
そして、加賀には嘘が通用しません。
今回もそのスタイルで事件の核心へと近づいていきます。
「なぜそうなったのか」「人はなぜ嘘をつくのか」という人間心理まで描いているところがおもしろいですね。
本作も殺人事件そのものだけではなく、事件に関わった人々が抱えている事情や、それぞれの思惑が複雑に絡み合っています。
最後まで読み終えると、『あなたが誰かを殺した』という言葉の意味についても改めて考えさせられます。
「犯人は誰なのか?」だけではなく、「本当のことを話しているのは誰なのか?」という視点で読むと、より楽しめますね。
今回も加賀恭一郎の魅力を存分に味わうことができました。
