【あらすじ&ひとりごと】
貴志祐介さんの作品は、日本ホラー小説大賞を受賞した『黒い家』から読み続けていますが、本作『ダークゾーン』、長編でもあり期待して手に取りました。
長崎市の端島、通称・軍艦島を舞台に、仲間とともに場所も状況もわからないまま、仲間とのバトルロワイアルが始まる、悪夢の世界を描く物語です。
日本将棋連盟奨励会のプロ棋士の卵である塚田は、闇の中で目覚め、17名の仲間とともに人間が異形した駒となり、場所や状況がわからぬまま、将棋のような七番勝負の闘いが始まる。
闘いの中、死んだら敵軍の駒として生き返り、敵駒を殺すことで昇格、強化する、奇妙な戦術ルールが存在する。
塚田は、現実世界の記憶がまだらにあるが思い出せない中、七番勝負を五分で迎えた第五局を失い、第六局を長期戦の末に引き分け、最終戦にもつれ込む。
本作は、サバイバルホラーとして将棋の世界を重ね、次の一手を読み合う心理戦が興味深く描かれています。
また、現実的なプロ棋士になる難しさも描かれ、将棋界の内情も知ることができました。
向かうところ敵なしで将棋界を躍進する藤井聡太さんの努力がわかります。
全体的には、自分自身が勝手に期待しすぎてしまった感があります。