【あらすじ&ひとりごと】
今回読んだのは、雨穴さんの『変な家』(2021)
出版当時は人気で、書店にはたくさん並んでいましたね。『変な家』『変な絵』。
気にはなっていたのですが手が伸びず、ようやく読んでみることにしました。
ある家の間取りについての話。語るのは「私・筆者」、雨穴さんご本人という設定なのかな。
知人から中古住宅の間取り図を見せられるが、その家は不可解な構造をしていた。
なぜか窓のない部屋や行き止まりの廊下など、一見すると不便なだけの構造。
しかし、建築士の知人と分析していくと、意図的な理由によってつくられた可能性が浮かび上がる。
間取りの謎を解いていく過程で、その家に隠され続けた秘密と、そこに住んでいた家族にかかる不気味な真相に行き着く。
文章の大半が会話文なので、オカルト専門のライターとして活動されている雨穴さんが、これまで聞き及んだことを書いているのかと錯覚するようでしたね。
調べを進めるうちに、表向き平凡な家族が住む「変な家」ではあるけど、裏には事件といった不穏な影が見えてきます。そして、この家の間取りは、隠された犯罪の場ではなかったのか、という結論へ。
最後まで真相はどうだったのか断定できないものの、「変な家」が何か狂気のもとにつくられたことが私たち読者の心に強烈に残されます。
「間取り」という普通に現実的なことを中心にして話が進むため、妙にリアルで生々しい怖さも残りますよね。
現実なら「住みにくそうな家」で終わる違和感を人に潜む闇へと結びつけることで、恐怖が生まれて、さらにこの行き着いた真相が飛躍することで作品をますますホラー化しているのでしょうか。
次作はどうしましょうか。『変な家2』、『変な絵』。また機会があったら読んでみましょう。
