ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】中山七里『連続殺人鬼カエル男 完結編』

【あらすじ&ひとりごと】

 今回読んだのは、中山七里さんの小説『連続殺人鬼カエル男 完結編』

 『連続殺人鬼カエル男』『連続殺人鬼カエル男ふたたび』に続く完結編。

 シリーズを通して衝撃的な展開と、刑法第39条(心身喪失・心身耗弱)にかかる社会派をテーマとした作品です。

 前作で医療刑務所から脱走した「カエル男」が再び登場し、シリーズがつながっていく衝撃の結末を迎えます。

 

 

 凄惨な殺害方法と稚拙な犯行声明文で世間を震撼させた「カエル男連続猟奇殺人事件」

 物語は、精神疾患を抱える殺人犯を無罪にした人権派弁護士が次々と何者かに殺害されていくところから始まる。

 犯行現場には必ず「カエル」の痕跡が残され、残虐な方法で殺害されていく。

 章立ては「引き摺る」「啄む」「乾かす」「誘う」「射殺す」の五つ。どの言葉も被害者の最期を象徴している。

 

 捜査にあたるのは、前作同様、ベテラン刑事・渡瀬と若手刑事・小手川。真実を追う彼らの前に現れる「カエル男」は、殺人鬼ではありながらも社会の闇や人間の罪を映し出す存在として描かれ、物語は予想を超える方向へと進んでいきます。

 

 

 過去作で積み重ねられた「カエル男」の謎が回収されていく展開は、緻密な構成とスピード感で一気読み必至。

 ただの猟奇ミステリーではなく、人間の倫理や報いを問いかけ、人の罪の形を象徴しているようですね。

 スプラッター要素もありますが、単なる残酷描写にとどまらず、命や正義、贖罪を考えさせられる物語。恐ろしさの中に深い人間ドラマがある一冊でした。

 

 シリーズを最初から読み返すと、もっと多くの伏線に気付けるかもしれませんね。

 そして、中山さんの違うシリーズですが、『嗤う淑女 二人』に前作の『ーーふたたび』で脱走した「カエル男」のその後の動向が描かれているそうで、完結編の前に読めばより分かりやすかったのかも。(未読でした)

 

 カエル男シリーズ、これで完結です。読後は恐怖と同時に、迎えた結末に妙な静けさが心に残りました。

 

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