【あらすじ&ひとりごと】
中高生が抱える心の痛みを辻村さんは的確に描き、いつも読者の一人として私は心をえぐられるような気持ちになりますが、読後はいつもすべてをやさしく包み込んでくれるような温かさに浸らせてくれます。
主人公の中学1年生の「こころ」は、同級生から受けた仕打ちが原因で不登校となる。
支援教室に申し込むが、通うこともできず部屋に引きこもる生活が続いていた。
ある日、自分の部屋の鏡が光り、鏡に飛び込むと向こうにはお城があり、自分に似た境遇を持つ中学生6人と出会い、彼らとともに冒険をしながら互いの気持ちが通じ合っていく。
そして、現実の世界で会う約束をする。
7人の存在が明らかになるとき、心に大きな感動が生まれます。
現代社会において、生きづらさを感じている子どもたちはたくさんいます。
このような世界がどこかにあって、その場所に気持ちを分かち合える友人がいれば、青少年の居場所となることができる。
それを考えるのは、やはり大人であるので、ぜひこの物語を読んでほしいと思います。
私の二度読みたい本です。