【あらすじ&ひとりごと】
小川糸さんの作品を読むのは、『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』に続いて3冊目です。
小川糸さんの作品は、描かれる人と人との温かさが何ともほのぼのとしていて、気持ちを落ち着かせてくれます。
本作は、若くして余命を告げられ、残りの日々を瀬戸内の島にあるホスピスで過ごすことを決めた主人公・雫が、悲しい現実を受け入れ、穏やかに最期のときを過ごしていく物語です。
「ライオンの家」というホスピスでは、毎週日曜日にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる。
とても明るい描写が、ことさら心を締め付けられました。
私なら最後のおやつに何をリクエストするだろう・・・。
子どもの頃、つくってもらった何かかな、、、あのときの味が、今このときに再現されたら、本当に心が穏やかになるのだろうか。
複雑な思いが行ったり来たりしてしまいます。
そんなことを考えたとき、恵まれた自分は、日々をもっと大切に生きなければいけない、何気ない日常のありがたさを痛感しました。
未来をしっかり考えて生きることも大切ですが、今このときを無駄にせず生きたいですね。