【あらすじ&ひとりごと】
「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品です。
とてもコミカルなミステリーで、主人公の弁護士・剣持麗子の個性が、それを助長するように愉快に描かれています。
最近、医師や弁護士の作家さんが増え、自身の携わる仕事に関わる作品をよく見かけます。
私も何人か、医師である作家さんの作品をいくつか好んで読んでいますが、この作品は、弁護士ならではの遺産相続を事件としたストーリーでしたが、法律を難しく出していないところに、さらっと楽しく読むことができました。
大手製薬会社の御曹司・森川栄治が「僕の財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言状を残し亡くなったところから始まる。
栄治と大学時代に3ケ月だけ交際していたことがある剣持麗子は、栄治を殺したと名乗り出た彼の友人である犯人候補・篠田の代理人となり、森川家が主催する「犯人選考会」に参加する。
麗子は、数百億円とも言われる財産を獲得するため、自らの依頼人を犯人にしようと奔放する。
現実離れをした内容ではあるが、強烈なキャラクターの主人公に驚きながらも、展開がおもしろく引き込まれました。
登場する森川家とそこに関わる人たちもどれも魅力的で、なんとなく、つかこうへいさんの世界を思い出しました。