【あらすじ&ひとりごと】
村山早紀さんの『百貨の魔法』を読んでとてもよかったので、その続編の『桜風堂ものがたり』、『星をつなぐ手 ー桜風堂ものがたりー』を続けて読みました。
前作に続いて、心を温かく、豊かにしてくれました。
前作の『百貨の魔法』では、「星野百貨店」を舞台に、社員それぞれの視点からの物語でしたが、今回の続編の2冊は、視点が変わり、百貨店内の書店員を主人公とした物語です。
主人公・月原一整は、人付き合いが苦手だが、名作を見つけ出し、光を当てることに優れ、周囲から信頼されていた。
しかし、万引き事件がきっかけでその書店を辞めることになる。
そして、彼に思いがけない出会いが待ち受ける。
一整の心のやさしさから未来が開けていくのだと感じました。
『星をつなぐ手 ー桜風堂ものがたりー』は、月原一整が百貨店内の書店を辞め、郊外にある桜風堂書店の経営を託され、さまざまな困難に立ち向かいながらも、書店を立て直していく物語です。
一整は、よい作品を見出し、ヒット作に導いていくが、地方の書店だけに配本が少なく、広くお客に販売することができない困難を抱える。
しかし、一整の人柄により新たな展開が開けていきます。まさに彼のこれまでの誠実さが人と人とのつながりを生み、成功へと導かれる。
人とのつながりの大切さを改めて気づかせてくれます。
人は誠実に生き、そこに残る自身の足跡が変わらないように見続けていかなければいけないのですね。
この物語のやさしい奇跡が心地よく、悲しいな涙は流れません。
3作とも期待どおりでした。