【あらすじ&ひとりごと】
馳星周さんの作品『少年と犬』を読みました。直木賞受賞作です。
馳さんの作品を読むのは久しぶりで、かれこれ20数年ぶりになるかと思います。
馳さんの作品といえば、いくつか読んだ中でもやはり「不夜城」
新宿歌舞伎町を根城とした中国人たちの勢力争いを描くストーリーが未だに強く残っていてダークな印象が強い。
そんな馳さんの印象からイメージがわかず、本作品に手を伸ばせずにいたのですが、遅くなりながらも読んでよかったです。
人間と犬との共生がこんなにも優しく切なく描かれ、感動しました。
本作品は、一匹の犬(名は多聞)が生きることに傷つき悩み苦しむ人間に温もりを与え、生きることへの希望を持たせる物語です。
6話(6人の人びとと出会う)の中に温かさと悲しさがあり、いつまでも心に余韻が残ります。
私も以前、小型犬を飼っていました。
嬉しいとき、悲しいとき、人間が何も言わなくても犬はすべてをわかっていて、一緒に喜び悲しみ、寄り添ってくれます。
いつかもう一度家族として迎え入れられたらいいなあと思っています。
そして、本作品によって、犬を愛する人はますます好きになって、そうでない人は犬に対する思いが変わってくれれば嬉しいです。
人間は動物と関わることで情操が育まれます。教えられることもたくさんあります。人間のよきパートナーとして大切にしていきたいですね。