ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】『六月の雪』乃南アサ 著

文藝春秋(2018)

【あらすじ&ひとりごと】

 ずいぶんと長い間、私の部屋の本棚に置かれていた『六月の雪』。

 購入はしたものの、500頁を超える長編に手が伸びず後回しになっていましたが、ようやく読み終わりました。

 

 読み始めると、とてもシンプルなストーリーで舞台となっている台湾、そしてそこに生きる台湾人の温かさに触れ、訪れたくなりました。

 一方で日本と台湾との関係や、その歴史を理解することができて、戦後の台湾の悲劇には胸が詰まる思いでした。

 

 声優への夢が破れ、祖母とふたりで暮らす主人公・杉山未来は、入院した祖母を元気づけるために、祖母が生まれたという台湾・台南を訪れる。

 戦時中の祖母の人生をたどり、台湾の人々の悲劇と台湾を離れなければならなかった日本人の哀しみを知ることで、未来が、自分の人生を見つめ直し、考えていくきっかけとなる7日間のひとり旅の物語です。

 

 未来の旅を案内するひとりの台湾人から、二人三人と増えていき、未来は心を通わせる。その人柄が皆親切で性格は違えど何とも愛らしい。

 言葉も独特の片言の日本語を文章にしているため、わかりづらいけど微笑ましくなります。

 読みながら台湾にどんどん惹かれていきます。

 

 台湾はとてもいいところですね。私には少し食事が気がかりですが、フルーツはぜひとも楽しみたいですね。

 そしてタイトルにある「六月の雪」。南国に降る雪のような花を見てみたいです。

 それと物語の結末。人の縁の大切さを知り、そこから自分の新たな人生に向けて決意する心温まる物語に、最後の展開がとても淋しく感じられたのは私だけではないと思いますが、どうなのだろう。

 

 世界ではいろいろな動きがあるようですが、このような素敵な国や、やさしい人々を守っていきたいですね。

【食】数年ぶりに築地を訪れました

 先週の金曜日に築地に行きました。

 市場が豊洲に移転して、まもなく4年が経つので、かれこれ6〜7年は行ってなかったでしょうか。

 

 平日とはいえ、相変わらず賑わっていました。

 きれいなマグロの刺身が安くて(スーパーよりもずっと高いのに安いと感じてしまう)、つい買いたくなってしまいます。

 

 以前は、家族が近くの病院に入院していたこともあり、ときどき昼食を取りに市場の場外へ行ったものでした。

 

 今回も当時から行っていた寿司清(本館)さんを数年ぶりに訪れ、ランチをいただきました。

 寿司屋さんがたくさんある中でも、どうしても寿司清さんのカウンター席が落ち着きます。

 数年ぶりに懐かしかったです。

 板前さんと話をしながら、お好みで握ってもらいました。

カツオの漬けをお通しに暑かったので生ビールを

 今はなんと、イワシが旬とのこと。軽くしめてあって、おいしかったです。

やはりマグロもいいです

 どれも新鮮でおいしかったけど、一番はキンメダイでした。

 お造り、握りをいただきましたが、絶品でした。

キンメダイの刺身と握り 少し炙ると旨味が増します
江戸前ならではの穴子煮、白焼きも格別

 今は築地に出掛ける機会がなくなってしまったけど、ときどき市場で海産物を見るのも楽しいです。

 今度は豊洲市場に行ってみたいなあと思います。もっと時間があれば東北の海の幸も堪能したいです。

 



【読書】『ギリシャ神話』石井桃子 編・訳 富岡妙子 画

 

のら書店(2000)

クマのプーさん』の翻訳などでも知られる児童文学作家・翻訳家として活躍された石井桃子さんが、小学生や中学生を対象にまとめたギリシャ文学本です。

 

 子どもの頃、アキレウスヘラクレス、パンドラなどの物語を読んだ記憶があり、もう一度「ギリシャ神話」を読んでみたいと思っていました。

 

 神話って、小説とはまた違って、泥臭いというか、とても興味を惹かれます。

 日本の神話でも竹田恒泰さんの『現代語古事記』を読みましたが、相通じるものがありますよね。

 神話とはいえ、神様も嫉妬したり恨んだりと、人間臭さがあって、その神が人類を創造したのであれば、今も昔も生きている人間が災いを起こすのは、何ら不思議なことはなく、自然の摂理なのかなあと、ニンマリしながら読んでいました。

 

 この『ギリシャ神話』は、子ども向けとは言っても、大人でも十分楽しめます。

 子どもにとって、刺激的な内容は柔らかく表現されていて、「ペルセウスとメドゥサ」や「ヘラクレスの冒険」、「トロイア戦争」、「パンドラの箱」、「オデュセウス」など、親しみやすい物語が集められています。

 

 石井さんの品のいいとてもわかりやすい翻訳でスラスラ読みやすくて、人間臭い神様たちの姿に疑問を感じながらも、親しみを覚えます。

 

 そして、日頃使われている名称なども、これはギリシャ神話に出てくるものだったのかと今更気づいたりもします。

 

 ギリシャ神話は、何千年も昔のことであるけれど、どのくらい昔かというと、いまだに議論が続いているそうです。

 古代ギリシャも日本の古事記も我々に残された素晴らしいものだと感じます。

 

【旅】県民割を利用して箱根湯本温泉へ

 今回は「読書」ではなく、脱線して「旅」のブログです。

 

 最近バタバタしていて、一冊の本すら読み終わらないのに、県民割キャンペーン(地域観光事業支援)の延長に魅せられて、箱根湯本温泉に行ってきました。

 

 この県民割キャンペーン、ご案内のとおり1人1泊あたりの宿泊料金が最大5,000円が割引され、さらに2,000円の地域限定クーポン券が付き、とてもお得でした。

 

 箱根はずいぶん前に何度か訪れたことがあり、宿泊するのは今回が二度目です。

 

 宿へ入る前にまずは1か所目の観光。

 箱根関所へ行きました。江戸時代の関所が復元され、旅はここから始まるのだなあと感じました。当時の全国にある関所の数にびっくり。

箱根の旅はこの入口から

箱根関所と芦ノ湖を一望

 今回の宿泊先は「南風荘」。

 泉質は無色透明のアルカリ単純温泉でとても爽やかな感じでした。

 露天風呂は、川のせせらぎが心地よくて、雨上がりの蝉の鳴き声が残り少ない夏の続きを楽しませてくれ、温泉情緒を満喫することができました。

 

 そして、この宿の自慢の食事が「小田原御膳」。ほかにも和食膳やしゃぶしゃぶ御膳などもありましたが、こちらを選択。

 料理はたくさん出ましたが、最後にこのたくさんの海の幸をのせた「小田原御膳」。とてもおいしくて全部食べてしまいました。

【小田原御膳】新鮮な魚が10種類以上のった海鮮丼

 

 翌日の午前中に箱根神社を参拝しました。多くの人が訪れていました。

 芦ノ湖をバックに鳥居の下で記念撮影をされる方がたくさんいらっしゃいました。

御朱印がちょっと物足りなくて残念

 そして、次は大涌谷に行きました。

 この日は、ガスの濃度が高かったらしく、気分が悪くなった方はスタッフに声をかけてくださいとアナウンスが流れていましたが、とても硫黄のかおりがよかったです。

蒸気が上がっていて硫黄のにおいがすごい

 簡単ですが、1泊2日の箱根の温泉旅でした。

 夏の疲れを温泉で癒すのもいいですね。

 ぜひ、お得な県民割キャンペーンを利用して、秋の行楽を考えてみてはいかがでしょうか。

【読書】グリム童話『森のなかの三人一寸ぼうし』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その9

『森のなかの三人一寸ぼうし』〈KHM13〉

 

【あらすじ&ひとりごと】

 昔、妻を亡くした男と、夫を亡くした女がいました。

 男には一人の娘、女にも一人の娘がいます。

 娘たちは知り合いになり、女のところへ行きます。そのとき、女は男の娘に「私がお父さんと結婚したがっていると言ってほしい。そうしたら、あなたを毎朝ミルクで体を洗わせ、ワインを飲ませてあげる。でも、うちの娘には水で体を洗わせ、水を飲ませる。」と言いました。

 

 その娘は家へ帰り、父親に話します。男は、決めることができず、長靴を脱ぎ、「この長靴には底に穴があいているが、それを屋根裏の大きな釘につるし、その中に水を入れなさい。もし水が漏らなければもう一度妻をもらう」と言いました。

 娘は言われたとおりにすると、水が穴を塞ぎ、長靴は水で一杯になったため、父親はその未亡人と結婚しました。

 

 次の朝、二人の娘が起きると、男の娘の前には体を洗うためのミルクと飲むためのワインがあり、女の娘の前には体を洗うための水と飲むための水があります。

 2日目の朝には男の娘には女の娘と同じ体を洗うための水と飲むための水がありました。

 そして3日目の朝には、男の娘には洗うための水と飲むための水があり、女の娘には洗うためのミルクと飲むためのワインがありました。そして、それが続きます。

 

 女は継子をいじめ、継子が美しく、自分の娘が醜いのを妬みました。

 

 冬の日、継母は紙のドレスを作り、継子にこれを着て森へ行き、苺をとってくるよう言います。

 継子は冬に苺はならない、紙のドレスでは寒いと言うと、継母は籠1つ分の苺を持ってくるまでは帰るなと言います。

 そして固いパンを少し渡され森へ行きますが、見渡す限り雪で一枚の葉も見当たりません。

 

 森の中に小さな家が見え、そこから3人の小人が覗いていました。娘は挨拶し中に入ります。

 娘はストーブのそばに座り、朝食を食べ始めますが、小人たちが欲しいと言うので、パンを分けてあげました。

 小人たちは冬に紙のドレスを着て、何をしているのかと聞くと、娘は苺を探さなければ家に帰れないと答えます。

 小人たちは娘に箒を渡し、裏口の雪を掃くよう言いました。

 娘が外に出ると、3人の小人たちは、パンをくれたとてもいい子だから何をあげようかと相談します。

 最初の小人は娘が毎日美しくなる贈り物、2番目の小人は娘が話すたびに口から金が出てくる贈り物、3番目の小人は王様の妻になる贈り物にすると言いました。

 

 娘は小人たちが言うとおりに箒で家の裏の雪を掃くと、そこには本物の熟れた苺がありました。

 娘は喜んで籠一杯に集め、小人たちにお礼を言って家に帰りました。

 

 娘が家へ帰り「ただいま」と言うと1個の金が口から落ち、森であったことを話すとまた口から金が落ち、部屋全体が金で覆われました。

 継母の娘は羨ましくて、苺を探しに森へ行きたがるので、母親は立派な毛皮のコートを娘に着させ、バターパンとケーキを持たせました。

 

 その娘は森の中の小さな家へ近づいたとき、3人の小人たちは外を覗いていましたが、娘は挨拶せずに家の中に入り、ストーブのそばに座ってバターパンとケーキを食べ始めます。

 すると、小人たちが少しちょうだいと言いますが、娘はあげませんでした。

 娘が食べ終えたあと、小人たちは裏口を掃くように言いましたが、自分は召使じゃないと娘は答え、小人たちが何もくれそうもないとわかると娘は出ていきます。

 

 小人たちは、あの娘は行儀が悪くて、意地悪で妬み深い心をして、誰にも物をあげようとしないから、何の贈り物をしようかと相談します。

 最初の小人は日増しに醜くなる贈り物、2番目の小人は話すたびに、ヒキガエルが口から出る贈り物、3番目の小人は惨めな死に方をする贈り物と言いました。

 娘は外で苺を探しますが見つからず、怒って家に帰ります。

 

 森であったことを母親に話すと、ヒキガエルが口から出てきて、継母は怒り、継子に意地悪ばかり考えますが、継子は日増しに美しくなります。

 

 継母はヤカンを火にかけ、毛糸を茹で、毛糸が煮えると継子の肩にかけ、凍っている川へ行って、毛糸をすすぐように言います。

 継子は川へ行くと王様が馬車でやってきました。王様は同情し、とても美しい娘なので、一緒に来ないかと言いました。

 娘は了承し、小人たちが贈り物を約束したとおり、結婚式が行われました。

 

 一年後、お妃は男の子を産みます。そして継母はお見舞のふりをして娘と一緒に宮殿に来ました。

 意地悪な継母と娘はお妃をベッドから持ち上げ、窓から近くの川に投げ捨て、醜い娘をベッドに寝かせ、頭を覆って隠しました。

 

 王様が帰り、お妃と話そうとすると、母親は熱で寝ていると言います。

 そして、次の朝、王様は寝ているお妃と話しますが、前はお妃が答えるたびに金が落ちてきたのにヒキガエルが出てきます。王様には、母親はひどい熱のせいだと言います。

 

 しかし、夜中に料理番が、鴨が水路を泳いでくるのを見ました。

 その鴨は「王様は何をしているの?」と言います。料理番が答えないでいると、鴨は「私のお客たちは何をしてるの?」と言います。料理番は、お客もぐっすり眠っていると答えると、鴨は赤ちゃんはどうしているかと尋ねました。料理番は、ゆりかごで眠っていると言いました。

 

 その後、鴨はお妃の姿になり二階へ行き、赤ちゃんに乳を飲ませると、また鴨の形になって水路を泳いで去っていきました。

 こうして鴨は二晩来ました。3日目に鴨は料理番に、王様に敷居のところで剣を3回私の上で振るようにと言ってほしいと話します。

 

 それで料理番は王様に話し、王様は剣を3回振りました。

 すると以前のように健康な妻が立っていました。王様は喜びましたが、赤ちゃんが洗礼を受けることになっているときまでお妃をある部屋に隠しておきました。

 

 洗礼が終わると王様は、人間を川に投げ捨てる人間には何が相応しいかと言いました。すると、継母はそんな人でなしは、釘が一杯刺さる樽に詰め、山から川に転がり落とすのが一番いいと答えます。

 王様は、継母に自分で自分の刑を言ったと話し、王様は家来にその樽を持ってこさせ、継母と娘を入れるよう命じました。

 二人を入れた蓋を釘で打たれた樽は、山を転がり、川に落ちました。(要約)

 

 今回もグリム童話によくある、心の優しい善良な者が報われ、意地悪で怠け者が自分たちの悪行に対し報いを受けるというものでした。

 だれかを憎んだり、妬んだりしても結局そこから何も生まれてはこないですからね。

 でも再婚した父親が登場しませんね。不思議です。

岩波文庫(1979)