2023-01-01から1年間の記事一覧
一年が過ぎるのは早いものですね。2023年もあとわずかです。 仕事を辞めて2年目。いろいろ思うことはあったけど、良い一年だったと思います。 来年は辰年、龍の如くのぼりつづける良い年にしたいですね。 今年一年、どのくらい読書記録をつけたのかなと、振…
マイクロマガジン社(2022) 【あらすじ&ひとりごと】 清水晴木さんの『さよならの向う側 Goodbye,My Dear』のその後を綴る続編、『さよならの向う側 i love you』を読みました。 亡くなったあとに一日だけ現世に戻り、自分の会いたい人に会える時間が与えら…
幻冬舎(2021) 【あらすじ&ひとりごと】 湊かなえさんの『山女日記』の続編、『残照の頂 続・山女日記』を読みました。 前作に続いて、主人公の女性が心に残る後悔や喪失感を山に癒され、希望を見出し人生を再生する。そんな登山と人生を重ねた物語です。 …
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その29 『手なしむすめ〈KHM31〉』 【あらすじ(要約)】 粉ひきの男は貧乏で、水車と一本のりんごの木しかなくなってしまいました。 森で薪を取っていると、お爺さんが来て「水車の後ろに立ってるものをくれるなら、金…
【あらすじ&ひとりごと】 町田そのこさんの『星を掬う』を読みました。 家族、親子って、どうあるべきなのか。分かり合える正しい繋がり方って何だろう。そんなことを考えさせられる作品でした。 芳野千鶴は、小学1年の夏休みに出掛けた母親との二人旅の直後…
【あらすじ&ひとりごと】 高校時代のスクールカーストの「いじめ」に関わった生徒たちそれぞれの思いの葛藤、苦悩を描いた小説です。 北海道の高校を卒業した3年6組のクラスメートたちに、10年前の卒業時、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同…
【あらすじ&ひとりごと】 東野圭吾さんが紫綬褒章を受章されましたね。 そのときに、 「頭の中にあるのは、読者を楽しませるものを書くということだけです」 「文学性を追わず、ただひたすら娯楽性を求めて書き続けてきました。自分が作家として生き残ってい…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その28 『しらみとのみ〈KHM30〉』 【あらすじ(要約)】 しらみとのみが所帯をもち、卵の殻の中にビールをこしらえました。すると、しらみがその中に落ちて火傷をしました。 これが悲しくて、のみが泣き出しました。そ…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その27 『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼〈KHM29〉』 【あらすじ(要約)】 昔、貧しい女が男の子を生みました。頭に福ずきんを被っていたので、14歳になるとお姫様を嫁にするという予言がありました。 王様がこの村に来て…
【あらすじ&ひとりごと】 人類滅亡まで五日間のカウントダウンミステリーです。 残された数日間のパニックを描いた作品は他作でもいくつかありますね。 小惑星「ダイス」が地球に接近し、衝突するかもしれないという「裁きの刻」までの残り五日間、女子大生…
【あらすじ&ひとりごと】 高級住宅街で起きたミステリー。 安全安心な町を治めようとする裏側には殺人も厭わない、犯罪をも揉み消す人たち、そんなホラーとも言える小説でした。 弁護士の岩田喜久子のもとに一家で失踪した友人・望月良子の娘・麻希が現れ、…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その26 『唄をうたう骨〈KHM28〉』 【あらすじ(要約)】 昔ある国で、猪がお百姓たちの畑を荒らしたり、家畜を殺したり、人間を襲ったりするので、困っていました。 王様は、この災いから国を救ってくれる者には褒美を…
【あらすじ&ひとりごと】 青山美智子さんの作品は、自身のプライドや卑屈さでいつしか忘れてしまった大切なことに気付かせてくれる、そんなあたたかな物語です。 『ただいま神様当番』を読みました。『お探し物は図書室まで』もよかったですが、こちらも同様…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その25 『死神とがちょうの番人』 【あらすじ(要約)】 不幸ながちょう飼いが、白いがちょうの番をしながら大きな川の岸を歩いていました。 そのとき、死神が川を渡ってきたので、どこから来たのか、どちらにおいでな…
【あらすじ&ひとりごと】 砥上裕將さんの作品といえばデビュー作の『線は、僕を描く』。横浜流星さんの主演で映画化もされましたね。 水墨画の「線」を描くことで、悲しみを秘めて生きる主人公の「僕」が、失ったものを埋めながら救われていく。繊細な描写…
【あらすじ&ひとりごと】 中脇初枝さんの『神の島のこどもたち』を読みました。 戦争の最前線となった鹿児島県奄美群島の沖永良部島に住む子どもたちを描いた物語です。 主人公のマチジョー(童名)と幼馴染のカミ(童名)は、父や兄を戦争で失い、日々空襲…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その24 『ブレーメンのおかかえ楽隊』<KHM27> 【あらすじ(要約)】 ある男が一匹のロバを持っていました。このロバは年をとり、だんだん働けなくなりました。 そこで飼い主は、ロバに餌をやるのをやめようと考えます…
【あらすじ&ひとりごと】 伊岡瞬さんの作品を初めて読みました。 『奔流の海』、タイトルからとても不穏な雰囲気を感じながら手に取りましたが、悲しい運命に抗って、その苦しみの中に必ず存在するであろう希望を求め、そして現実から逃げない強い意志を持ち…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その23 『赤ずきん』<KHM26> 【あらすじ(要約)】 昔、小さな愛くるしい女の子がいました。この子を一番かわいがっていたのは、お祖母さんでした。 あるとき、お祖母さんは赤いビロードの頭巾をあげました。これがこ…
【あらすじ&ひとりごと】 『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』に続くシリーズ最新作の『桜風堂夢ものがたり』です。 主人公の月原一整を取り巻くひとりひとりの物語を綴る四話からなるオムニバスになっています。 今作品は、田舎町にある書店で店長として…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その22 『七羽のからす』<KHM25> 【あらすじ(要約)】 昔、ある男に息子が七人いましたが、娘は一人もいないため、娘をとても欲しがっていました。 そのうちに、おかみさんに子どもが生まれると待ちに待っていた女の…
【あらすじ&ひとりごと】 大阪を舞台に、毎日に変化のない企業受付社員の女性とお笑い芸人たちとの友情を育んでいく物語です。 内容は違うけれど、又吉直樹さんの『花火』を別の視点で描いたようなイメージを持ちました。 29歳を迎えた柳生美雨(やないみ…
【あらすじ&ひとりごと】 日本ファンタジーノベル大賞2020優秀賞作品です。 とても物静かな雰囲気と独特な世界観の中に寂しさと温もりが同居するような物語でした。 天空族のセイジ(女性)は、余命が残り少ない老人のために妻の遺した天空語で書かれた日記…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その21 『ホレのおばさん』<KHM24> 【あらすじ(要約)】 ある寡婦(ごけ)さんに二人の娘がいました。 その一人は美しくて働き者で、もう一人は器量が悪く怠け者でした。 けれども、母親は器量が悪い怠け者の娘が本…
鳴子ホテル 6月30日(金)、7月1日(土)で宮城県大崎市にある名湯鳴子温泉に行ってきました。湯色がさまざまな色に変化するという鳴子温泉。 そして、「こけし」が伝統工芸品として有名ですね。温泉街のお店にはかわいらしいこけしがたくさんありました。 …
【あらすじ&ひとりごと】 『クスノキの番人』を読みました。 いつもの東野さんらしいミステリーではなく、むしろファンタジーというか、スピリチュアルでとても神秘的な物語でした。 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のようなやさしく、人が生きて行くことに希望を持…
【あらすじ&ひとりごと】 ストーリーの続編ではないですけど、『ひと』『まち』『いえ』の3シリーズとなっている『まち』を読みました。 『ひと』も自分の心の中にするっと入ってくるような、淡々としていてやさしい雰囲気が伝わる作品でしたが、今作も同…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その20 『はつかねずみと小鳥と腸づめの話』〈KHM23〉 【あらすじ(要約)】 昔、はつかねずみ、小鳥、腸づめが友達になって所帯をもち、仲良く豊かに暮らしていました。 小鳥の仕事は、毎日森で薪を取ってくること。は…
【あらすじ&ひとりごと】 冒頭から、大型ショッピングモールでの大量無差別殺人が始まり、一人の人間の死の真相をめぐって、生き残った人たちが互いに嘘をつき、真実を隠す。そして結末を迎えるまで息をつかせない内容に、強烈な一撃を見舞われたような感覚…
【あらすじ&ひとりごと】 初めて読んだ伊与原 新さんの作品が『八月の銀の雪』。一話一話の短編集がどれも心地よくて、今回も期待して『月まで三キロ』を読みました。 本作品は、同様に六篇からなる短編集で、伊与原さんが大学で専攻されていた地球惑星科学…