ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

【読書】『おまえなんかに会いたくない』乾ルカ 著

【あらすじ&ひとりごと】 高校時代のスクールカーストの「いじめ」に関わった生徒たちそれぞれの思いの葛藤、苦悩を描いた小説です。 北海道の高校を卒業した3年6組のクラスメートたちに、10年前の卒業時、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同…

【読書】『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 東野圭吾さんが紫綬褒章を受章されましたね。 そのときに、 「頭の中にあるのは、読者を楽しませるものを書くということだけです」 「文学性を追わず、ただひたすら娯楽性を求めて書き続けてきました。自分が作家として生き残ってい…

【読書】グリム童話『しらみとのみ』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その28 『しらみとのみ〈KHM30〉』 【あらすじ(要約)】 しらみとのみが所帯をもち、卵の殻の中にビールをこしらえました。すると、しらみがその中に落ちて火傷をしました。 これが悲しくて、のみが泣き出しました。そ…

【読書】グリム童話『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その27 『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼〈KHM29〉』 【あらすじ(要約)】 昔、貧しい女が男の子を生みました。頭に福ずきんを被っていたので、14歳になるとお姫様を嫁にするという予言がありました。 王様がこの村に来て…

【読書】『神のダイスを見上げて』知念実希人 著

【あらすじ&ひとりごと】 人類滅亡まで五日間のカウントダウンミステリーです。 残された数日間のパニックを描いた作品は他作でもいくつかありますね。 小惑星「ダイス」が地球に接近し、衝突するかもしれないという「裁きの刻」までの残り五日間、女子大生…

【読書】『誰かがこの町で』佐野広実 著

【あらすじ&ひとりごと】 高級住宅街で起きたミステリー。 安全安心な町を治めようとする裏側には殺人も厭わない、犯罪をも揉み消す人たち、そんなホラーとも言える小説でした。 弁護士の岩田喜久子のもとに一家で失踪した友人・望月良子の娘・麻希が現れ、…

【読書】グリム童話『唄をうたう骨』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その26 『唄をうたう骨〈KHM28〉』 【あらすじ(要約)】 昔ある国で、猪がお百姓たちの畑を荒らしたり、家畜を殺したり、人間を襲ったりするので、困っていました。 王様は、この災いから国を救ってくれる者には褒美を…

【読書】『ただいま神様当番』青山美智子 著

【あらすじ&ひとりごと】 青山美智子さんの作品は、自身のプライドや卑屈さでいつしか忘れてしまった大切なことに気付かせてくれる、そんなあたたかな物語です。 『ただいま神様当番』を読みました。『お探し物は図書室まで』もよかったですが、こちらも同様…

【読書】グリム童話『死神とがちょうの番人』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その25 『死神とがちょうの番人』 【あらすじ(要約)】 不幸ながちょう飼いが、白いがちょうの番をしながら大きな川の岸を歩いていました。 そのとき、死神が川を渡ってきたので、どこから来たのか、どちらにおいでな…

【読書】『7.5グラムの奇跡』砥上裕將 著

【あらすじ&ひとりごと】 砥上裕將さんの作品といえばデビュー作の『線は、僕を描く』。横浜流星さんの主演で映画化もされましたね。 水墨画の「線」を描くことで、悲しみを秘めて生きる主人公の「僕」が、失ったものを埋めながら救われていく。繊細な描写…

【読書】『神の島のこどもたち』中脇初枝 著

【あらすじ&ひとりごと】 中脇初枝さんの『神の島のこどもたち』を読みました。 戦争の最前線となった鹿児島県奄美群島の沖永良部島に住む子どもたちを描いた物語です。 主人公のマチジョー(童名)と幼馴染のカミ(童名)は、父や兄を戦争で失い、日々空襲…

【読書】グリム童話『ブレーメンのおかかえ楽隊』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その24 『ブレーメンのおかかえ楽隊』<KHM27> 【あらすじ(要約)】 ある男が一匹のロバを持っていました。このロバは年をとり、だんだん働けなくなりました。 そこで飼い主は、ロバに餌をやるのをやめようと考えます…

【読書】『奔流の海』伊岡 瞬 著

【あらすじ&ひとりごと】 伊岡瞬さんの作品を初めて読みました。 『奔流の海』、タイトルからとても不穏な雰囲気を感じながら手に取りましたが、悲しい運命に抗って、その苦しみの中に必ず存在するであろう希望を求め、そして現実から逃げない強い意志を持ち…

【読書】グリム童話『赤ずきん』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その23 『赤ずきん』<KHM26> 【あらすじ(要約)】 昔、小さな愛くるしい女の子がいました。この子を一番かわいがっていたのは、お祖母さんでした。 あるとき、お祖母さんは赤いビロードの頭巾をあげました。これがこ…

【読書】『桜風堂夢ものがたり』村山早紀 著

【あらすじ&ひとりごと】 『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』に続くシリーズ最新作の『桜風堂夢ものがたり』です。 主人公の月原一整を取り巻くひとりひとりの物語を綴る四話からなるオムニバスになっています。 今作品は、田舎町にある書店で店長として…

【読書】グリム童話『七羽のからす』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その22 『七羽のからす』<KHM25> 【あらすじ(要約)】 昔、ある男に息子が七人いましたが、娘は一人もいないため、娘をとても欲しがっていました。 そのうちに、おかみさんに子どもが生まれると待ちに待っていた女の…

【読書】『パラソルでパラシュート』一穂ミチ 著

【あらすじ&ひとりごと】 大阪を舞台に、毎日に変化のない企業受付社員の女性とお笑い芸人たちとの友情を育んでいく物語です。 内容は違うけれど、又吉直樹さんの『花火』を別の視点で描いたようなイメージを持ちました。 29歳を迎えた柳生美雨(やないみ…

【読書】『迷子の龍は夜明けを待ちわびる』岸本 惟 著

【あらすじ&ひとりごと】 日本ファンタジーノベル大賞2020優秀賞作品です。 とても物静かな雰囲気と独特な世界観の中に寂しさと温もりが同居するような物語でした。 天空族のセイジ(女性)は、余命が残り少ない老人のために妻の遺した天空語で書かれた日記…

【読書】グリム童話『ホレのおばさん』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その21 『ホレのおばさん』<KHM24> 【あらすじ(要約)】 ある寡婦(ごけ)さんに二人の娘がいました。 その一人は美しくて働き者で、もう一人は器量が悪く怠け者でした。 けれども、母親は器量が悪い怠け者の娘が本…

【旅】鳴子温泉を訪れました♨️

鳴子ホテル 6月30日(金)、7月1日(土)で宮城県大崎市にある名湯鳴子温泉に行ってきました。湯色がさまざまな色に変化するという鳴子温泉。 そして、「こけし」が伝統工芸品として有名ですね。温泉街のお店にはかわいらしいこけしがたくさんありました。 …

【読書】『クスノキの番人』東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 『クスノキの番人』を読みました。 いつもの東野さんらしいミステリーではなく、むしろファンタジーというか、スピリチュアルでとても神秘的な物語でした。 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』のようなやさしく、人が生きて行くことに希望を持…

【読書】『まち』小野寺史宜 著

【あらすじ&ひとりごと】 ストーリーの続編ではないですけど、『ひと』『まち』『いえ』の3シリーズとなっている『まち』を読みました。 『ひと』も自分の心の中にするっと入ってくるような、淡々としていてやさしい雰囲気が伝わる作品でしたが、今作も同…

【読書】グリム童話『はつかねずみと小鳥と腸づめの話』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その20 『はつかねずみと小鳥と腸づめの話』〈KHM23〉 【あらすじ(要約)】 昔、はつかねずみ、小鳥、腸づめが友達になって所帯をもち、仲良く豊かに暮らしていました。 小鳥の仕事は、毎日森で薪を取ってくること。は…

【読書】『スワン』呉 勝浩 著

【あらすじ&ひとりごと】 冒頭から、大型ショッピングモールでの大量無差別殺人が始まり、一人の人間の死の真相をめぐって、生き残った人たちが互いに嘘をつき、真実を隠す。そして結末を迎えるまで息をつかせない内容に、強烈な一撃を見舞われたような感覚…

【読書】『月まで三キロ』伊与原 新 著

【あらすじ&ひとりごと】 初めて読んだ伊与原 新さんの作品が『八月の銀の雪』。一話一話の短編集がどれも心地よくて、今回も期待して『月まで三キロ』を読みました。 本作品は、同様に六篇からなる短編集で、伊与原さんが大学で専攻されていた地球惑星科学…

【読書】グリム童話『子どもたちが屠殺ごっこをした話』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その19 『子どもたちが屠殺ごっこをした話』第一話・第二話 【あらすじ(要約)】 第一話 西部フリースランド(オランダ)のフラネッケルという小都会で五~六歳くらいの男女の子どもたちが遊んでいました。 やがて子ど…

【読書】『傷口はきみの姿をしている』九条時雨 著

【あらすじ&ひとりごと】 九条時雨さんの作品『傷口はきみの姿をしている』を読みました。「高校生の心情を繊細に描く」という一文に、どんな青春群像が描かれているのか気になり読んでみました。 私は九条さんという作家さんを知りませんでしたので、巻末の…

【読書】『水を縫う』寺地はるな 著

【あらすじ&ひとりごと】 寺地はるなさんの作品は、べったこ (id:kuroneko356)さんがたくさん読まれていて、以前から私も読みたいと思っていました。 物語は日常的なことであるけれど、澄んだ言葉が心の中にあたたかく流れていくようで、とても心に響く清々…

【お散歩】キジが鳴くのは地震の予言⁉

とても暑くなってきましたね。私は毎朝90分ほど散歩していますが、朝とはいえ気温は上がっていてそろそろ暑さがしんどくなってきました。 いつも河川敷の土手沿いを橋から橋へ一周してくるのですが、最近よく鳴き声や姿を見かけるのがキジです。 私が住ん…

【ひとりごと】『自分がどう生きるかを選ぶのは自分』(『嫌われる勇気』)

人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。 『嫌われる勇気』を読みました。 今回は【読書】というよりは【ひとりごと】です。 私は自己啓発本というものをあまり読んだことがないのですが…