【あらすじ&ひとりごと】
呉勝浩さんの『爆弾』を読みました。2023年の「このミス」、「ミステリが読みたい」第1位の作品、直木賞の候補にも上がっていましたね。
皆さんのブログでも記事にされていて、気になっていたのでやっと読むことができました。
冴えない中年男・自称スズキタゴサクは、酒屋の自販機を蹴りつけ、止めに入った店員を殴り、警察へ連行された。
ドラゴンズが負け、むしゃくしゃし、さらに酒を飲むため買いに行ったが、財布に金がなく自販機にあたったという。
ここから謎の男・スズキタゴサクの饒舌が始まり、事件が急転していく。
自分は霊感があり、10時ぴったりに秋葉原のほうで何かあるという。そしてそのとおり、10時に秋葉原で爆発事件が発生する。
しかし、スズキは自分は霊感で伝えているだけで、犯人ではないという。自分の霊感では、爆弾はここからあと三度、次は一時間後に爆発すると言い、警察とスズキの攻防が始まる。
警察とスズキの駆け引き、攻防、そしてそこに見え隠れする人の心に潜む正義や悪意、そこが一番の読みどころですね。
警察が饒舌でとぼけたスズキをどのように追い詰めていくのかが気になって、読んでいて先を急がせます。
スズキタゴサクは、前科者データベースにも引っ掛からず、過去が結局明かされませんでした。爆弾も最後のひとつが見つからないまま。
続編が出ているようですので、新たな何かが明かされるのかな。
次に期待したいですね。