ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】『テスカトリポカ』佐藤究 著

【あらすじ&ひとりごと】 佐藤究さんの直木賞、山本周五郎賞受賞作品『テスカトリポカ』を読みました。 暴力シーンや殺人、麻薬・臓器密売など、想像以上に凄まじかったですが、ストーリーはとても濃厚なクライムミステリでした。 しかも500頁を超える長編で…

【読書】グリム童話『ちえ者エルゼ』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その33 『ちえ者エルゼ〈KHM34〉』 【あらすじ(要約】 ひとりの男がいて、娘がいました。娘は「ちえ者エルゼ」と言われていました。年頃になったので、父親は「結婚させよう」と言い、母親は「そうですね」と言いまし…

【読書】『朽ちゆく庭』伊岡 瞬 著

【あらすじ&ひとりごと】 伊岡瞬さんの作品を読むのは『奔流の海』に続いて2作品目ですが、とても読みやすい文章で、サクサク読みながらもストーリー展開が頭にスルスル入ってくる心地良さがあります。事件に迫ってくると、もう一気読み必至。 本作は、一見…

【読書】グリム童話『靴はき猫』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その32 『靴はき猫』 【あらすじ(要約)】 粉ひき男が息子3人、粉ひき場、驢馬、牡猫を持っていました。 粉ひきが死ぬと財産を分けました。長男は粉ひき場、次男は驢馬、三男は牡猫。 三男は「ぼくがもらったものが一…

【読書】『この世の喜びよ』井戸川射子 著

【あらすじ&ひとりごと】 芥川賞作品を久々に読みました。とは言っても、今まで数える程度しか読んだことはありません。 記憶にあるのは、『コンビニ人間』や『火花』『スクラップ・アンド・ビルド』、古い作品では、『限りなく透明に近いブルー』『海峡の光…

【読書】『虚魚』新名 智 著

【あらすじ&ひとりごと】 新名 智さんの横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作『虚魚(そらざかな)』を読みました。 巻末から見てみると、新名さんの受賞の言葉と、選考委員(綾辻行人さん、有栖川有栖さん、黒川博行さん、辻村深月さん、道尾秀介さん)によ…

【読書】『夜に星を放つ』窪 美澄 著

【あらすじ&ひとりごと】 窪美澄さんの直木賞受賞作『夜に星を放つ』を読みました。 現代に生きる人たちが、心の隅にある寂しさに人と心を通わせようとする、そんな素敵な五編からなる短編集でした。 「真夜中のアボガド」「銀紙色のアンタレス」「真珠星ス…

【旅】JR高速バスで名古屋へ④(最終)

バンテリンドームで開催されたクイーンのコンサートに行く家族に付き添い、訪れた名古屋。 2月3日(土)〜6日(火)まで滞在し、最終日の2月6日の記録です。 3日(土)〜5日(月)までの記録↓↓↓ fudemogura.com fudemogura.com fudemogura.com 昨夜は…

【旅】JR高速バスで名古屋へ③

バンテリンドームで行われるクイーンのコンサート(2月4日)のために訪れた名古屋。 2月3日(土)〜6日(火)まで滞在し、3日目(2月5日)の記録です。 1日目2日目の記録↓↓↓ fudemogura.com fudemogura.com 名古屋は朝から土砂降り。関東地方では…

【旅】JR高速バスで名古屋へ②

2月4日(日)バンテリンドームで開催されるクイーンのコンサートに行くため、3日(土)〜6日(火)まで名古屋に滞在。その2日目(2月4日)の記録です。 (1日目の記録は↓↓↓) fudemogura.com 今朝はプリンセスガーデンホテルを9時半にチェックアウト…

【旅】JR高速バスで名古屋へ①

2月3日(土)〜6日(火)まで名古屋に出掛けました。 目的は旅行というより、4日(日)にバンテリンドームで行われるクイーンの来日ライブ(初日)に家族が行くための付き添い。(私は行き帰りの随行) ついでに少し観光と名古屋名物を食べてきました。 …

【読書】グリム童話『三いろの言葉』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その31 『三いろの言葉〈KHM33〉』 【あらすじ(要約)】 昔、スイスに年をとった伯爵が住んでいました。 息子は一人しかいないのですが、何一つ覚えられないバカ息子なのです。 父親は「ここを出なさい。おまえを評判…

【読書】『祇園怪談』森山 東 著

【あらすじ&ひとりごと】 森山東さんの京都を舞台に繰り広げられる、祇園の芸舞妓をめぐる雅びなホラー作品です。読み進めていくうちに、実はミステリでもありました。 怪異の正体とは、、、徐々に明かされていく驚愕の真実。 『お見世出し』で日本ホラー小…

【読書】『腹を割ったら血が出るだけさ』住野よる 著

【あらすじ&ひとりごと】 住野よるさんの作品を久しぶりに読みました。久しぶりだったので、期待していたのだけど、思いのほか頁が進まず、読み終わるのにかなり時間がかかってしまいました。 青春小説って、すぐに入り込めないというか、読み始めて自分の…

【読書】グリム童話『ものわかりのいいハンス』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その30 『ものわかりのいいハンス〈KHM32〉』 【あらすじ(要約)】 ハンスの母親が、「ハンスや、どこ行く?」と聞く。「グレーテルのとこへ」とハンスが返事をする。「うまくやんなよ」「大丈夫、うまくやるってば。…

2024年謹賀新年🧧

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします 今年も初日の出を拝むことができました。 早朝なのにとても暖かくて、じっとご来光を浴びることができました。 2024年初日の出 渡良瀬川に架かる橋からです 朝日森天満宮にて初詣。参拝者の行…

【ひとりごと】2023年の振り返り

一年が過ぎるのは早いものですね。2023年もあとわずかです。 仕事を辞めて2年目。いろいろ思うことはあったけど、良い一年だったと思います。 来年は辰年、龍の如くのぼりつづける良い年にしたいですね。 今年一年、どのくらい読書記録をつけたのかなと、振…

【読書】『さよならの向う側 i love you』清水晴木 著

マイクロマガジン社(2022) 【あらすじ&ひとりごと】 清水晴木さんの『さよならの向う側 Goodbye,My Dear』のその後を綴る続編、『さよならの向う側 i love you』を読みました。 亡くなったあとに一日だけ現世に戻り、自分の会いたい人に会える時間が与えら…

【読書】『残照の頂 続・山女日記』湊かなえ 著

幻冬舎(2021) 【あらすじ&ひとりごと】 湊かなえさんの『山女日記』の続編、『残照の頂 続・山女日記』を読みました。 前作に続いて、主人公の女性が心に残る後悔や喪失感を山に癒され、希望を見出し人生を再生する。そんな登山と人生を重ねた物語です。 …

【読書】グリム童話『手なしむすめ』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その29 『手なしむすめ〈KHM31〉』 【あらすじ(要約)】 粉ひきの男は貧乏で、水車と一本のりんごの木しかなくなってしまいました。 森で薪を取っていると、お爺さんが来て「水車の後ろに立ってるものをくれるなら、金…

【読書】『星を掬う』町田そのこ 著

【あらすじ&ひとりごと】 町田そのこさんの『星を掬う』を読みました。 家族、親子って、どうあるべきなのか。分かり合える正しい繋がり方って何だろう。そんなことを考えさせられる作品でした。 芳野千鶴は、小学1年の夏休みに出掛けた母親との二人旅の直後…

【読書】『おまえなんかに会いたくない』乾ルカ 著

【あらすじ&ひとりごと】 高校時代のスクールカーストの「いじめ」に関わった生徒たちそれぞれの思いの葛藤、苦悩を描いた小説です。 北海道の高校を卒業した3年6組のクラスメートたちに、10年前の卒業時、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同…

【読書】『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 東野圭吾さんが紫綬褒章を受章されましたね。 そのときに、 「頭の中にあるのは、読者を楽しませるものを書くということだけです」 「文学性を追わず、ただひたすら娯楽性を求めて書き続けてきました。自分が作家として生き残ってい…

【読書】グリム童話『しらみとのみ』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その28 『しらみとのみ〈KHM30〉』 【あらすじ(要約)】 しらみとのみが所帯をもち、卵の殻の中にビールをこしらえました。すると、しらみがその中に落ちて火傷をしました。 これが悲しくて、のみが泣き出しました。そ…

【読書】グリム童話『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その27 『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼〈KHM29〉』 【あらすじ(要約)】 昔、貧しい女が男の子を生みました。頭に福ずきんを被っていたので、14歳になるとお姫様を嫁にするという予言がありました。 王様がこの村に来て…

【読書】『神のダイスを見上げて』知念実希人 著

【あらすじ&ひとりごと】 人類滅亡まで五日間のカウントダウンミステリーです。 残された数日間のパニックを描いた作品は他作でもいくつかありますね。 小惑星「ダイス」が地球に接近し、衝突するかもしれないという「裁きの刻」までの残り五日間、女子大生…

【読書】『誰かがこの町で』佐野広実 著

【あらすじ&ひとりごと】 高級住宅街で起きたミステリー。 安全安心な町を治めようとする裏側には殺人も厭わない、犯罪をも揉み消す人たち、そんなホラーとも言える小説でした。 弁護士の岩田喜久子のもとに一家で失踪した友人・望月良子の娘・麻希が現れ、…

【読書】グリム童話『唄をうたう骨』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その26 『唄をうたう骨〈KHM28〉』 【あらすじ(要約)】 昔ある国で、猪がお百姓たちの畑を荒らしたり、家畜を殺したり、人間を襲ったりするので、困っていました。 王様は、この災いから国を救ってくれる者には褒美を…

【読書】『ただいま神様当番』青山美智子 著

【あらすじ&ひとりごと】 青山美智子さんの作品は、自身のプライドや卑屈さでいつしか忘れてしまった大切なことに気付かせてくれる、そんなあたたかな物語です。 『ただいま神様当番』を読みました。『お探し物は図書室まで』もよかったですが、こちらも同様…

【読書】グリム童話『死神とがちょうの番人』

『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その25 『死神とがちょうの番人』 【あらすじ(要約)】 不幸ながちょう飼いが、白いがちょうの番をしながら大きな川の岸を歩いていました。 そのとき、死神が川を渡ってきたので、どこから来たのか、どちらにおいでな…