【あらすじ&ひとりごと】
コロナワクチン副反応の呪縛からやっと解放されました。
その間、休み休み、五十嵐貴久さんのサイコミステリー『マーダーハウス』を読みました。『リカ』シリーズ以来です。
そのタイトルのとおり、「殺人の家」
発熱で発汗と朦朧とする中、震撼のサイコミステリーは逆によかったのかもしれません。
藤崎理佐は、鎌倉にある希望の大学に合格し、引っ越し先を探していた。偶然にもネットで「サニーハウス鎌倉」というシェアハウスを見つける。
そこは、街なかから外れた別荘のような豪邸で、設備も充実しているのに家賃は45,000円という破格の金額で好条件ばかり。しかもシェアする人たちは、20~30代の男女8人、素敵な人たち。
理佐は、憧れの地での新生活をスタートするが、そこから悲劇は始まる。
8人は、シェアハウスとしてのルールを守り、とても楽しく生活するが、どこかで猜疑心を抱いている。
ひとり、ふたりと死亡、失踪していく中、理佐は自分の部屋での違和感に気づき始め、自分にも魔の手が伸びていることを感じる。
そして、高校時代の友人に相談し、この物件を調べ始めると・・・。
8人それぞれが垣間見せるその猜疑心が、だれによる何の目的の犯行なのか攪乱させられます。
五十嵐さんのホラー作品は、『リカ』シリーズが強烈でした。本作品も孤立するシェアハウスで、誰を信じていいのかわからない中、犯人は徐々に外堀を埋めながら迫ってくる緊張感に恐怖しました。
そして、犯人が話すその動機に狂気を感じたとき、恐怖が増幅しました。
結末は、予想外というか、五十嵐さんらしい結末ではないかと思います。
昨今、格安の物件には事故物件があるようで、実際に起きた怪奇現象をドラマにしていますが、生きた人間による怪奇ではないものの、これはこれで怖いですね。
やはり物件探しは慎重に行わなければならないとつくづく思いました。
ずいぶん暑くなってきましたので、サイコミステリーの作品もいかがでしょうか。