【あらすじ&ひとりごと】
森見登美彦さんの作品は初読みです。
ファンタジー作家さんであることだけは知っていました。読後に本書について調べてみたら、各作品に繋がりあって、本作品を読む前に『有頂天家族』『夜は短し歩けよ乙女』を読んでいたほうがさらに楽しめたようです。
でも、とても独特なワールドでした。なかなか馴染むのに時間がかかりましたが、少しずつ免疫がつき始めると楽しくなってきました。
主人公・社会人2年目の小和田君は、仕事が終われば独身寮での夜更かしを楽しみ、休日は「グウタラ」に過ごす怠け者。
ある日、狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」との出会いから、京都祇園祭の宵山を舞台にした長い土曜日一日の冒険が始まる。
主人公を取り巻く面々が何とも個性的で楽しい。グウタラを求め、それをやめさせようとする人たちに起こる、とりとめのないファンタジーをまじめな調子で作者が語るところが笑いを誘う。
そして、ぽんぽこ仮面の正体がわかったとき、もう森見さんの世界にはまっています。
毎日一生懸命働いたあとの週末くらい怠け者になってもいいですよね。
頭の中を空っぽにする時間も大切ですから。この小説を読みながら私自身頭の中が空っぽになってスッキリした時間でした。
小和田君の名セリフ「僕は人間である前に怠け者です」
私も賛成です。
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