【あらすじ&ひとりごと】
まとめ買いした知念実希人さんの作品を前回に続いて読みました。
本作品は、医療ミステリーではありませんでした。
タイトルから何となく推測することができました。
知念さんの作品は、どれも人が人を思うことの大切さが描かれていて、心温まります。
双子の兄弟の海斗と岳史。
岳史の左手には、事故で亡くなった兄の海斗が宿る。
岳史には海斗の声が聞こえ、左手は自分の意思とは関係なく動かされるが、誰からも信用されない。
ついには、精神病院に入院させられそうになり、岳史は家を出る。
その後、殺人事件に巻き込まれ、容疑者として追われることに。
そして、濡れ衣を晴らすため岳史と海斗は奔放するが、しだいに兄弟がすれ違っていく。
これは、現実の脳が見せる幻覚なのか、実際のところはわかりませんが、本当だと思いたくなります。
互いを思う兄弟の絆が切ない。
これまでとは、知念さんの描く背景が違っていて、ダークで官能的なところもあるストーリーでしたが、終盤の急展開には心を打たれました。