ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】『レフトハンド・ブラザーフッド』 知念実希人 著

【あらすじ&ひとりごと】

 

 まとめ買いした知念実希人さんの作品を前回に続いて読みました。

 本作品は、医療ミステリーではありませんでした。

 

 タイトルから何となく推測することができました。

 

 知念さんの作品は、どれも人が人を思うことの大切さが描かれていて、心温まります。

 

 双子の兄弟の海斗と岳史。

 岳史の左手には、事故で亡くなった兄の海斗が宿る。

 

 岳史には海斗の声が聞こえ、左手は自分の意思とは関係なく動かされるが、誰からも信用されない。

 

 ついには、精神病院に入院させられそうになり、岳史は家を出る。

 

 その後、殺人事件に巻き込まれ、容疑者として追われることに。

 

 そして、濡れ衣を晴らすため岳史と海斗は奔放するが、しだいに兄弟がすれ違っていく。

 

 これは、現実の脳が見せる幻覚なのか、実際のところはわかりませんが、本当だと思いたくなります。

 互いを思う兄弟の絆が切ない。

 

 これまでとは、知念さんの描く背景が違っていて、ダークで官能的なところもあるストーリーでしたが、終盤の急展開には心を打たれました。

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文藝春秋(2019)