ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

【読書】『ひとつむぎの手』 知念実希人 著

【あらすじ&ひとりごと】

 

 現役医師である知念実希人さんの医療ミステリーです。

 タイトルの意味を思いながら読みました。

 期待どおりでした。

 

 大学病院で過酷な勤務に耐える心臓外科医を目指す平良祐介は、医局の最高権力者である赤石教授から、研修医3人の指導医を任され、医局に入局させれば念願の心臓外科医への道を約束される。

 

 そして、赤石を告発する怪文書が出回り、祐介はその犯人捜しも命じられる。

 

 真相を探る中、個性的な研修医は祐介の医師としての姿勢、患者に寄り添う姿勢を見て、しだいに心を寄せ成長し始める。

 

 医局の政治争いを描くミステリーでありながら、患者と向き合う誠実な医師のヒューマンドラマに心が温まりました。

 

 私たちの命を守ってくださる医師たち医療従事者の皆さんには、日々頭が下がる思いです。

 

 医師としての夢や目標、患者のために終わりのこないご苦労があると思います。

 

 私にも青森県に医師の友人がいます。自分のことより患者のことを考え、医局を辞め、地域医療に日々忙しくしています。

 そんな友人とダブらせながら読んでいました。

 

 患者を思う医療を紡いでいくことの大切さ。いくつかのタイトルの意味がわかりました。

 祐介の最終的な決断に心から拍手を送りたい。

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新潮社(2018)