【あらすじ&ひとりごと】
大阪を舞台に、毎日に変化のない企業受付社員の女性とお笑い芸人たちとの友情を育んでいく物語です。
内容は違うけれど、又吉直樹さんの『花火』を別の視点で描いたようなイメージを持ちました。
29歳を迎えた柳生美雨(やないみう)は、契約社員として企業の受付で働く。
肩をたたかれるまであと一年となったとき、売れないお笑い芸人の矢沢亨と出会い、その相方の弓彦、そして仲間の芸人たちとの交流を通して、しっかり互いを見つめ合い友情を深め、退屈だった自分の人生に輝きを見つけていく物語です。
全体的にテンポがよく読みやすくて、一穂さんの描くお笑いネタがなかなか適度におもしろい。
お笑い芸人の世界観がよく出ていて、そんな雰囲気を表現するのって難しいと思うけど、もしやお笑い好きなのかとも思ってしまいます。
好きなことをして生きていける喜びって素晴らしいし、人生に必要なことだと思うけど、また同じように困難もセットで付いてくる。
人間の運命は、ほんの些細なことで明暗が分かれたりするから、自分の選択した道を信じて進んでいきたいですね。