【あらすじ&ひとりごと】
中脇初枝さんの『神の島のこどもたち』を読みました。
戦争の最前線となった鹿児島県奄美群島の沖永良部島に住む子どもたちを描いた物語です。
主人公のマチジョー(童名)と幼馴染のカミ(童名)は、父や兄を戦争で失い、日々空襲に怯えながら生活するが、貧しくも島の人たちと助け合って生きていた。
戦争は終わるも、島は米政府の統治下に置かれ、復興され豊かになっていく日本本土から分離される。
そんな中、マチジョー一家は仕事を求め、島を出ることになる。一方、カミたちは日本本土への復帰を求め活動を始める。
そして、カミは島を出て行ったマチジョーの帰りを待ちながら自分の将来の夢を考え始める。
戦争の悲惨さを簡単に言い表せないですね。
家族が出征するとき、お国のためにしっかり頑張ってと見送る残された家族の心境は計り知れない。カミは、見送りながらも手を振らない。出征する家族に手を振っても無事に帰ってこなかった。だから島を出ていく幼馴染にも手を振らない。とても複雑な気持ちになりますね。
そんな先人たちのおかげで私たちの今の幸せがあることを忘れてはいけないと改めて思います。
でも、いまだに世界では戦争が続いています。人間が生きている限りは、終わることはないのでしょうね。愚かですね。
怒りや悲しみを抱え苦難の中でも、強さと明るさを持ち、たくましく生きてきた当時の子どもたちの思いを、次代を生きる私たちとして心に刻まなければいけないですね。
戦中戦後の苦難の中に、島の子どもたちの成長を描いた作品に心震えました。