ふでモグラの気ままな日常

読書をこよなく好む早期退職した元公務員が、読んだ本の紹介を中心に、日頃気づいたことや感じたことなどについて、気ままにひとりごとを発信する雑記ブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

【読書】『この本を盗む者は』 深緑野分 著

【あらすじ&ひとりごと】 深緑野分さんの作品を読むのは、本作品がはじめてです。 実は数年前、『ベルリンは晴れているか』を書店で手にして、清々しい名前の方だなと思いながら、冒頭を流し読みしたことがあります。 結局購入しなかったのですが、それが深…

【読書】『ライオンのおやつ』 小川 糸 著

【あらすじ&ひとりごと】 小川糸さんの作品を読むのは、『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』に続いて3冊目です。 小川糸さんの作品は、描かれる人と人との温かさが何ともほのぼのとしていて、気持ちを落ち着かせてくれます。 本作は、若くして余命を告げら…

【読書】『人魚の眠る家』 東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 東野圭吾さんの作家デビュー30周年記念作品です。 映画化にもされました。 脳死と臓器提供に関わる家族の思いを深く綴った物語です。 東野さんが私たちに投げかける、深く悲しいけど温かい作品です。 夫の浮気で別居状態にある夫…

【読書】『草祭』 恒川光太郎 著

【あらすじ&ひとりごと】 恒川光太郎さんの日本ホラー小説大賞受賞作『夜市』を読んでから、恒川さんの独特の幻想的なファンタジーにハマったときがあり、その後『雷の季節の終わりに』『秋の牢獄』も読みました。 久々、本屋さんで本作が目に留まり購入し…

【読書】『かがみの孤城』 辻村深月 著

【あらすじ&ひとりごと】 辻村深月さんの2018年本屋大賞受賞作品です。 中高生が抱える心の痛みを辻村さんは的確に描き、いつも読者の一人として私は心をえぐられるような気持ちになりますが、読後はいつもすべてをやさしく包み込んでくれるような温か…

【読書】『祈りのカルテ』 知念実希人 著

【あらすじ&ひとりごと】 知念実希人さんの作品を読むのは、本作が3冊目です。 六編が収録された心温まる医療ミステリーです。 コロナ渦が続く中、肉体的・精神的にも疲弊する厳しい状況に置かれながらも、日夜自身の使命を全うする医療関係者を思いながら…

【読書】『ラプラスの魔女』 東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 東野圭吾さんの作家デビュー30周年記念作品です。 櫻井翔さん主演で映画化されました。 温泉地で発生した2件の硫化水素中毒事故から解き明かすミステリー。 遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が発生し、研究者で…

【読書】『島はぼくらと』 辻村深月 著

【あらすじ&ひとりごと】 辻村深月さんの作品は、ホラーもあり、青春小説もありで、ジャンルが幅広い。 高校生を主人公にした作品も多く、思春期の心を繊細にあらわす言葉が切ないながらも、気持ちを軽くしていく。 本作は、その高校生が主人公で、島暮らし…

【読書】『 i 』 西 加奈子 著

【あらすじ&ひとりごと】 西加奈子さんの作品を初めて読んだのは、直木賞を受賞した『サラバ』でした。そのときは、とても衝撃を受けました。 西さんの文章の深さと重さを本作からも感じました。 アメリカ同時多発テロやシリアの内戦、そこを逃れる難民男児…

【読書】『ダークゾーン』 貴志祐介 著

【あらすじ&ひとりごと】 貴志祐介さんの作品は、日本ホラー小説大賞を受賞した『黒い家』から読み続けていますが、本作『ダークゾーン』、長編でもあり期待して手に取りました。 長崎市の端島、通称・軍艦島を舞台に、仲間とともに場所も状況もわからない…

【読書】『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手 ー桜風堂ものがたりー 』 村山早紀 著

【あらすじ&ひとりごと】 村山早紀さんの『百貨の魔法』を読んでとてもよかったので、その続編の『桜風堂ものがたり』、『星をつなぐ手 ー桜風堂ものがたりー』を続けて読みました。 前作に続いて、心を温かく、豊かにしてくれました。 前作の『百貨の魔法…

【読書】『みかづき』 森 絵都 著

【あらすじ&ひとりごと】 森絵都さんの作品をはじめて読みました。 教育への一途さに圧倒されました。 戦後のベビーブームと経済成長を背景に、昭和から平成の塾業界を舞台にした物語です。 日本における学習塾の変遷、そして教育論、とてもスケールの大き…

【読書】『リバース』 湊かなえ 著

【あらすじ&ひとりごと】 湊かなえさんの放つ毒が、体からだいぶ抜けてきたのかもしれません。 選択する本棚に積まれた次の作品は、迷わず湊さんの『リバース』でした。 主人公・深瀬和久は平凡なサラリーマン。 趣味はおいしいコーヒーを淹れること。 深瀬…

【読書】『元彼の遺言状』 新川帆立 著

【あらすじ&ひとりごと】 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品です。 とてもコミカルなミステリーで、主人公の弁護士・剣持麗子の個性が、それを助長するように愉快に描かれています。 最近、医師や弁護士の作家さんが増え、自身の携わる仕事に関わる…

【読書】『滅びの前のシャングリラ』 凪良ゆう 著

【あらすじ&ひとりごと】 凪良ゆうさんの作品を読むのは2作目です。 はじめて読んだ作品が『流浪の月』で、心の動きを表現する文章に衝撃を受けました。 『一ヶ月後、小惑星が地球に衝突します』突然の人類滅亡の宣告。 学校でいじめを受ける江那友樹17…

【読書】『お見世出し』 森山 東 著

【あらすじ&ひとりごと】 森山東さんの作品をはじめて読みました。 本作は、2004年に日本ホラー小説大賞の短編賞を受賞しています。 当時私は、毎年同賞の受賞作を好んで読んでいましたが、森山さん(当時のペンネームh大和王子さん)の作品には気付きませ…

モグラの散歩道⑦まち並みから思うこと

きょうも暖かいです。まだまだ風は冷たいですが。 休日の久々の散歩です。お決まりコースの自然観察。 先週、人間ドックを受検し、まだ結果は出ていませんが、明らかに体重が増えていました。 正月太りと、平日は仕事から帰れば読書。休日は、ゴロゴロ読書、…

【読書】『52ヘルツのクジラたち』 町田そのこ 著

【あらすじ&ひとりごと】 町田そのこさんの2021年本屋大賞受賞作品です。 自分の人生を家族からも奪われ、過去を断ち切るためキナコ(三島貴湖)は、かつて祖母が住んでいた大分の海辺のまちに移住する。 そこで虐待を受ける13歳の「ムシ」と呼ばれる少年…

【読書】『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』 小川 糸 著

【あらすじ&ひとりごと】 小川糸さんの作品を初めて読みました。 本作は、多部未華子さんの主演でドラマ化されたでしょうか。(確かNHKだったような⁉) 『ツバキ文具店』 鎌倉を舞台とした物語です。 小さな古い文房具屋さんの「ツバキ文具店」を経営し、あ…

【読書】『よるのばけもの』 住野よる 著

【あらすじ&ひとりごと】 中学生の「僕」は、夜になると化け物になる。 それは突然、深夜にやってくる。 ある日、化け物になった「僕」は、夜の校舎に侵入した。 だれもいないと思っていた教室に、いじめを受けているクラスメイトの矢野さん(女子)がなぜ…

【読書】『虚ろな十字架』 東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 映画化された作品です。 過去の事件からやり直すため、脱サラし、ペット葬儀屋を営む中原。 そこに中原とは旧知である刑事・佐山に、中原の別れた妻・小夜子が何者かに殺されたと告げられる。 中原と小夜子は、かつて幼い娘を殺さ…

【読書】『蜜蜂と遠雷』 恩田 陸 著

【あらすじ&ひとりごと】 恩田陸さんの直木賞と本屋大賞の史上初ダブル受賞作品です。 映画化にもされた長編小説です。 さすがにすばらしい作品でした。 ページが2段書きで500頁を超える長編でも、結果が早く知りたくて、あっという間に読んでしまいま…

【読書】『ノースライト』 横山秀夫 著

【あらすじ&ひとりごと】 主人公・建築士の青瀬稔は、依頼人・吉野陶太から「あなた自身が住みたい家を建ててください」とY邸の依頼注文を託される。 建築予定地は信濃追分。 建築費用は3,000万円。 青瀬は、バブル崩壊後、赤坂の建築事務所を辞め、妻ゆか…

【読書】『百貨の魔法』 村山早紀 著

【あらすじ&ひとりごと】 風早のまちにある星野百貨店。 古くから地元の人々に愛される老舗の百貨店を守ろうとする人たちの物語です。 エレベーターガールの松浦いさな、百田靴店の咲子、贈答用フロア責任者の佐藤健吾、ドアマン、資料室社員などが、それぞ…

【読書】『始まりの木』 夏川草介 著

【あらすじ&ひとりごと】 不思議な物語でした。 変わり者の民族学者と院生の教え子が研究にために日本各地を旅する物語です。 はじめは、偏屈な民族学者に疑問を抱きながらも、徐々に読み進めるうち、寡黙の中に筋の通った人間性に惹かれていきました。 こ…

【読書】ツナグ  (続編)ツナグ 想い人の心得 辻村深月 著

【あらすじ&ひとりごと】 辻村さんの作品が好きで、この作品のページを何気に目繰り返すと、最後まで読んでしまいました。 この本は、10年くらい前の作品で、吉川英治文学新人賞受賞作品、映画化にもなりました。 一生に一度だけ死者が望めば、願いを叶え…

【読書】『平場の月』 朝倉かすみ 著

【あらすじ&ひとりごと】 朝倉かすみ氏の山本周五郎賞作品。 主人公・青砥健将は50歳。 父親が亡くなったことを機に、老いた母親を看るため地元に戻るが、妻子とも別れ、実家で一人暮らし。 そんな中、検査で訪れた病院の売店で働く、中学の同級生・須藤…

【読書】『夢幻花』 東野圭吾 著

【あらすじ&ひとりごと】 花を愛し育てる余生を送っていた老人・秋山が殺される。 第一発見者はその孫娘・梨乃。 庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、その花についてブログにアップすると、事件は意外な展開へと進んでいく。 アサガオに黄色い花はな…

【読書】『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』 青柳碧人 著

【あらすじ&ひとりごと】 『むかしむかしあるところに、死体がありました』に続き、今作は西洋童話ミステリーです。 今作は、タイトルのとおり、赤ずきんが主人公です。 シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、眠り姫、マッチ売りの少女。 トリックが満載で、…

【読書】『凍りのくじら』 辻村深月 著

【あらすじ&ひとりごと】 高校2年生の芦沢理帆子は、自分を取り巻くどんな相手にもあわせ、その個性に名前をつける。 ドラえもんの作者 藤子・F・不二雄のつくるSF(少し 不思議)の世界。 あの子は「少し 不安」「少し 不満」、そして理帆子自身は「少…